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無駄に荘厳

359 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/08/05(土) 05:46:39.08 ID:oyqAoFYg0
荘厳が言い切ると同時に、リビングを静寂が包んだ。
初めてかもしれない。兄弟で、お互いにここまで感情的な言い争いをしたのは。
荘厳はいつでも一歩下がった位置にいて、自らの我を通すことは少なかったから。
荘厳「……私、知っていました。男様が、どのような気持ちで私に接していらっしゃるのか」
これまでとはうってかわった、静かな口調だった。
今にも泣き出しそうな小さな声で、荘厳は言葉をつむぐ。
荘厳「でも、私はそれでも良かった」
兄「!! …お前……」
兄の肩がびくりと震えた。荘厳の口から出た言葉が、信じられないという表情だった。
荘厳「男様が側にいてくだされば、それで良かった。対等じゃなくても、男様が私の側から離れられなくなるなら、それでも…」
兄「やめろ!!!!」
これまでにない、強い口調。
怒りとも悲しみともつかない、歪んだ表情で兄は叫んだ。
荘厳「!!!」
兄「男を不幸にしてもいいのか!? 男だけじゃない、お前だって傷つくだけだ!!」
荘厳「…私は、男様が側にいれば幸せでしたわ!!」
兄「そう思い込もうとしていただけだ!!」
荘厳「!」
荘厳は押し黙る。
沈黙。2人を押しつぶさんばかりの、重苦しい沈黙だった。
喘ぐように呼吸をした後、口を開いたのは兄だった。
兄「……お前は、男を墜としてまで幸せになれるような、強い人間じゃないだろ」
荘厳「……」
荘厳は何も言わない。
兄「墜として、縛り付けて、それを幸せだっていえるような、酷い人間じゃないだろ」
荘厳「…それでも、私は……」
荘厳は、それ以上言葉を続けることが出来なかった。崩れ落ちるように、床に座り込んだ。
顔を手で覆い、声もなく泣き続けた。
兄「…荘厳…」
兄もそれ以上、何も言えなかった。ただ一言名前を呼んで、静かにリビングを後にした。

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