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無駄に荘厳

940 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2006/08/07(月) 02:03:54.31 ID:JSGj2U5EO
「いらっしゃい」

底が無い様な深い声に背筋が泡立つ。
俺はどんな表情をしていたのだろう、彼女は俺を見て、紅の整った唇を微かに歪ませた。

「素敵な場所でしょう?貴方のために用意したのよ」

何も音がしない街で、彼女の靴だけが音を立てる。
コツ、コツと二歩。
彼女から反射的に距離を取ると、背中に何か固い物がぶつかった。

「うわっ…え?」

目を疑った。
いつの間にか周囲は壁に囲まれ、俺は追い詰められていた。
嵌め殺しの窓から覗く室内は、瓦礫と半壊した死体に満たされている。
赤と黒の支配する世界に囚われてしまった。
逃げられない…

「貴方、怖いの?」
「…ぁ」

力を込めても、口から漏れるのは微かな音。
すぅっと、彼女の手が俺の顎に添えられる。

「ふふ、本当に可愛い子…」

全身の力が抜け、意識が暗転する。
完全に落ちる瞬間、唇に何かが重なるのを感じた。

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